インフルエンザとライ症候群の関係とは

ライ症候群について説明する医師 インフルエンザはウイルスによって引き起こされる急性感染症という認識が広くありますが、ライ症候群は聞き慣れない方も少なくないようです。
ライ症候群はインフルエンザの他に水痘なども含めた感染症に感染した後に発生する病気で、急性脳症や肝臓に脂肪浸潤を起こします。
アスピリンと呼ばれる薬を服用している小児に多くみられる病気とされますが、発症メカニズムに関しては不明な点が多い現状にあります。

成人にはあまり発症しない病気とされますが、成人にも発症する可能性は否定できません。
ライ症候群が重症化した場合、アスピリンは肝臓にあるミトコンドリアを損傷させることが明らかになっています。
アスピリンと肝臓のミトコンドリアの関係性及びライ症候群と関係していることが明らかになった研究により、現代では10代から10代未満に推薦できない薬となっています。

ライ症候群の症状は1期から5期に分類されており、5期に至ると危険な状態です。
急性脳症などが起きたり肝臓に影響があるため、命に係わる症候群として医学界では積極的に研究が進められています。
1期の症状は原因不明の持続的な嘔吐・無気力感・混乱等の精神症状・悪夢などが見られ、2期に入ると小脳炎症による麻痺・過呼吸・反射作用・脂肪肝が見られるようになります。

3期は1期と2期の症状を引き継ぎ、加えて大脳浮腫や昏睡が起きることも考えられます。
また、稀なケースですが呼吸が停止した事例もあります。
4期になると昏睡状態が深くなりはじめ、光への最小反応による瞳孔散大が見られ、小さい範囲の肝機能不全があるとされます。
5期は4期の症状が急速に起きて深い昏睡状態に至り、てんかんの発作・弛緩・呼吸停止が起きます。
血中のアンモニアが大量になっていることも確認でき、最終的には死亡します。

小児がライ症候群に罹ったケースでは3割が死亡し、回復期に至ることができた割合は全体の7割とされています。
成人の場合は回復期に至りやすく、完全な回復が行えることが判明しています。
インフルエンザや水痘に感染した後に原因不明の嘔吐・無気力・悪夢などが続く時には要注意なので、医療機関に相談してみることをおすすめします。

インフルエンザに市販薬のバファリンの使用は厳禁!?

ライ症候群の発症率を高くさせる成分が存在していますが、その成分を含む市販薬はインフルエンザの時に用いられることがあるものです。
市販薬名はバファリンで、頭痛・肩こり・外傷痛などの痛みに対する薬として販売されていることからインフルエンザの際に用いられることもあります。
しかし、インフルエンザによる高熱が出ている時はバファリンを服用すると危険です。

危険とされる理由は、バファリンにはサリチル酸系+αと呼ばれる解毒鎮痛剤が配合されており、この解毒鎮痛剤がライ症候群や脳症を引き起こす可能性があると指摘されている上に死亡事故も発生していることにあります。
バファリンといってもシリーズがいろいろありますが、インフルエンザやライ症候群のことを考えると特にバファリンAが危険とされています。

バファリンAの主成分は、ライ症候群を引き起こす原因になることが明らかになっているアスピリンです。
インフルエンザウイルスに感染して発症した時はツラい症状が続くこともあるため市販薬で改善しようとする方も多いようですが、配合成分の事情から鎮痛に効果的といってもバファリンは避けた方が良いとされます。
特にバファリンAはライ症候群と密接な関係があるアスピリンが主成分なので、選択及び使用は厳禁です。

人それぞれの体質があるため、成人の場合は誤って服用してしまった時も症状が現れないことがあります。
ただ、小児の場合はライ症候群を発症しやすいので気を付けましょう。
バファリンを服用した後に体調や精神状態に異常を感じた時は早めに医療機関を利用して相談すると異変の原因特定が明確になり適切な対処が行えるため、ライ症候群の可能性がある場合は悪化のリスクを回避できます。