インフルエンザの検査キットは販売されていない

ウイルスから身を守る男性 昔はインフルエンザに効く薬はないとされ、安静にしているのが唯一の治療法でしたが、今ではインフルエンザウイルスの増殖を抑える医薬品が幅広く普及しています。
ただしインフルエンザの治療薬は、発症から48時間以内に服用しないと、効果が薄いと言われています。
また異常行動などの副作用が指摘されたこともあり、インフルエンザでないのに服用することは避けなければなりません。

治療薬が十分な効果を発揮するためには、短時間で正確性の高い診断を下すことが重要な条件になります。
そのためインフルエンザ専用の簡易検査キットが開発されています。
インフルエンザウイルスは喉や鼻の粘膜で盛んに増殖します。
簡易検査キットは検査対象になる人から、綿棒で鼻の奥の粘膜を少し採取し、試薬の中へ投入して、ウイルスの有無を判定する仕組みです。

鼻に綿棒を突っ込むのに恐怖感を覚える方もいますし、実際に痛みや気持ち悪さを訴えたり、鼻血を出してしまう方もいます。
もちろん大部分の方は、ほとんど苦痛を覚えずに検査することができます。
子どもの場合は綿棒が使えないことがあり、そのときは鼻水からウイルスを検査します。
ただし正確性の点では、鼻水を使った検査のほうが劣るとされています。

簡易検査キットは比較的手軽に判定できるのがメリットですが、あくまで簡易検査であり、必ずしも正確な検査ができるわけではありません。
発熱が始まってから半日ほどの時間が経過していないと、まだウイルスの数が少ないため、感染していても陰性という結果が出るケースがあります。
しかし時間が経ちすぎていると、結果が出ても治療薬の効果が薄いため、あまり検査の意味がありません。

こうしたデメリットは存在するものの、15~30分程度で検査結果が出ることや、A型かB型かの判定もできることなどから、簡易検査キットは多くの医療機関で利用され、インフルエンザの早期発見・早期治療のために役立っています。

インフルエンザの検査は医療機関で行おう

残念ながらインフルエンザの簡易検査キットは、市販に規制がかけられており、一般の薬局では購入できません。
これは体外診断用医薬品に指定されているためです。
体外診断用医薬品とは、人間や動物の体に直接使用されない薬品を指し、平成14年の薬事法改正で明記されたカテゴリーです。
尿検査や血液検査などを行う試薬も、このカテゴリーに分類されます。

自分で検査できないのは不便だと思うかもしれませんが、綿棒で鼻の奥を擦ると組織を傷つけてしまう可能性がありますし、痛みを恐れてうまく粘膜を採取できず、正しい判定ができないことも考えられます。
安全に正確性の高い判定を行うためには、専門の医師に任せたほうが良いでしょう。
インフルエンザと診断された後も、医療機関なら適切な処方を行うことができ、短時間での治療に繋がります。

医療機関でインフルエンザの検査を受けた場合は保険適用になります。
キットの費用は5千円ほどですが、原則として被保険者は3割負担になるため、診察費も含めて2千円ほどで検査を受けることができます。
保険適用となっているので、全国どこの医療機関でも費用はほとんど変わりません。
もちろん治療薬の費用は別にかかるので注意してください。

どうしても鼻の奥に綿棒を入れたくないという場合は、医師の判断により、喉の粘膜や鼻水から検査することもできます。
ただし精度が下がることは頭に入れておく必要があります。
いずれにせよ素人判断で医薬品を服用するのはリスクが伴うため、インフルエンザが疑われるときは、医療機関で検査を受けるようお勧めします。
早期に感染を発見できれば、抗ウイルス薬の投与で症状を抑え、治療期間を短縮することが可能になります。