MERSやSARSに効くワクチンがない理由

ワクチン 風邪のウイルスには様々な種類があり、コロナウイルスもその中の代表的なウイルスです。
そのコロナウイルスが突然変異を遂げて、重症の肺炎を引き起こしたのが新型のウイルスのSARSやMERSと呼ばれるウイルスなのです。

この新型コロナウイルスは元々、コウモリを宿主としていました。
それが遺伝子変異を起こし、豚やラクダに感染するようになり、ついにはラクダなどの動物から人間にも感染し、最終的に人から人へと感染するようになってしまったのです。

2002年から2003年に掛けて中国南部で発生したSARSウイルスは、人から人への感染力が高確率で起こったため、世界中に広がり約10%という高い致死率を記録しました。
それでも奇跡的にSARSは2004年に終息を迎えています。

その一方で2015年には韓国でMERSが発生し、この新型コロナウイルス感染症は約30%という高い致死率を記録しています。
このMERSは2012年から2013年に掛けてサウジアラビアを中心に報告されていたウイルスで、当初はサウジ型SARSとかSARS様コロナウイルスと呼ばれていました。
しかし、後の解析でSARSとは明らかに違う新型ウイルスであると判明し、MERSウイルスと名付けられました。
MERSは人から人へ感染しない、または感染し難いと考えられていました。
ところが、韓国の報告では人から人への感染が起こり易くなっているとの懸念が出ています。

これら新型コロナウイルスのSARSやMERSに、有効とされるワクチンはまだ存在していません。
なぜか、それはワクチンを開発しても販売する前にウイルスが終息してしまう恐れがあるからです。
SARSワクチン開発に膨大な費用を費やし、販売できないまま損失を抱えて買収されてしまった会社がありました。
そのために、ワクチンを開発しても大量生産のチャンスが無ければ、企業として存続できない社会構造となっているのです。
ですので、人から感染し難いといわれているMERSのワクチンを作ったとしても、会社に利益がないので作られないのです。

海外から帰ってきたら感染症の検査を受けましょう

SARSやMERSに限らず、海外には多くの感染症が存在しています。
海外から帰国した後に、何らかの体調不良を訴える人は、全旅行者の数十%にも及ぶといわれます。
なかでも下痢など胃腸症状や皮膚の異常、咳・発熱などが良く見られます。
これらの症状も自然に回復することが多いのですが、特殊な感染症による体調不良であるなら、それに対する治療を行う必要があるかもしれません。

発展途上国に旅行した場合、帰国後少なくとも6ヶ月の間は旅行関連の感染症が生じる可能性があります。
医療機関で検査をしてもらう時にも、必ず、海外へ行っていたことを告げてください。
デング熱やリケッチア感染症による症状は、帰国後ほぼ3週間以内に見られますが、マラリアなどの寄生虫によるものや一部の細菌による感染症では数週間から数ヶ月、あるいは数年経って現われることもあります。

発熱がある場合、重大な感染症から発生している可能性があり、特にマラリアやデング熱の流行地域から帰国し発熱したときは、必ず医療機関で検査を受けましょう。
熱帯マラリアは急速に悪化する恐れがあるので、特に注意をしてください。
下痢が治まらない場合、ジアルジア症やアメーバ赤痢と云った寄生虫による感染症の疑いが考えられます。
放置してしまうと、内蔵に問題を起こす可能性があるので、医療機関で検査を受けて、しっかりと原因を突き止めることが重要となります。

皮膚の異常も海外から帰国後に良く見られる症状です。
発熱が同時に見られるならば、全身の感染症を伴っていることが多いので一刻も早く、医療機関で受診することが必要です。
医療機関を受診するときには、旅行先・期間・旅行中の行動・宿泊先の状況・旅行前の予防接種などについての情報を伝えることが大切です。